東北(遠野、仙台)へ行政調査にいく!

5月9日~5月11日にかけて行政調査にいってきました。
場所は東北です。3.11から1年ちょっとが立ちましたが、
震災当時のことや、一年たっての現状を確認するために
次の3つの箇所を調査に行きましたので、それぞれで感じたことについて記載します。
※長い文面なので、時間がない方は学んだこと(赤字)部分tと写真だけみてください。
①遠野市役所
 震災時の後方支援についてということで調査に行きました。
 (実際、遠野は3.11の際は、後方支援基地として多くの機能を果たした自治体です)
 尚、この度は市長が主席して頂き、お話も直接して頂きました。
 遠野市は、3.11で被害にあった太平洋沿岸から約30キロメートル離れた場所にあります。
 現在の遠野市長は、県の防災関係の課長をやっていたこともあり、
 非常に防災に関して積極的な取り組みをした方です。
 まず、市長は就任後、過去の例から、近くに大きな津波が来ることを想定。
 その次に遠野は何をするべきかとうことを考えて、昔からの地盤が強固であるという
 利点を活かし、津波発生時の後方支援地になろうと決めたそうです。
 ちなみに後方支援地を定めなければならないなんて、どこの法律にも書いてありません。
 まさに自ら考えた取組です。自らの立場を作り出すなんて民間的発想ですね!
 その案を市でまとめ、国に提案し採用されたことからすべてが始まっています。
 そして数年前、自衛隊などを交えた大規模訓練をやっていたので、3.11の際は、当日から
 かなり、すばやい対応ができたとのことです。まさに地域に、私たちのまちは後方支援地
 であるという認識が強くあったとのことです。
 訓練の大事さと、住民意識の高さが重要だと思いました。
 また市長の話の中では、役所的なことが多くて困ったとの話もありました。
 コンビニからおにぎりが届いたら、なんと賞味期限ぎりぎり、しかも時はすでに夕方、
 遠野市は、急いで手配し、被災者に届けたそうです。しかし保健所からは、
 食中毒が起こるかもしれないからやめてほしい!との電話が来たとのこと!
 また、支援物資が全国から届いたら、遠野は仕分けをして、すぐに被災者に届けたが、
 もうすこし上のレベルの自治体では、行動が遅く手詰まりをしていたとのこと。
 遠野市からの『手伝います』の要請を断り結局配ることができずに、多くのゴミとしてしまったなど
 お話をされていました。現場感覚がないと、このようなことに陥ると力説されていました。
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 ◆遠野市で学んだこと
  ・自治体の役割や価値は自らが作りだすことができる、また作り出すことが重要だということ
  ・首長(市長)の決断力と行動力の重要性
  ・有事の際においての訓練の大事さと、住民意識の高さの重要性
  ・有事の際の現場主義の大切さ(権限移譲のラインを決めておくことの必要性)
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②仙台市仮説ゴミ処理場
 仙台市もかなりの被害をうけ、多くの震災廃棄物(がれき等)を出しました。
 しかし仙台市では、政令して都市ということもあり、自ら仮説のゴミ処理場を3箇所つくり
 がれきの処理をかなりのペースで進めているとのこと。
 その処理場を見学しました。
 仙台市が優秀だったことは、普通の自治体
 ア.一次仮置き場⇒とにかくゴミを集めて置いておく
 イ.二次仮置き場⇒ゴミを分別する
 ウ.焼却する
 という3つのステップをとりますが、基本的に
 収集段階で分別して集めてしまうのでアとイを1つのステップで実施してしてしまうことです。
 これにより、かなり効率のいい処理をしています。当初はやはりこんな時にゴミを分別しながら
 集めるなんて何を考えているんだ!とにかく早く集めろとの声を強かったらしいですが、
 過去の震災の経験を踏まえて、やや強引ながらも、分別での収集に踏み切ったとのことが
 きめてだったとのことです。
 また焼却処理が90t/日であれば3年リースで20億円、300t/日であれば3年リースで40億円
 ともに期間は4か月程度で作れるとうこともわかりました。
 ※もちろん野外にさらされた施設で、熱の再利用などは一切できない最小限の焼却施設です。
  ただし、排出する煙等に関しては通常の施設と同じ昨日なので、健康被害には影響はない
  とのことです。
  今五市一町でのごみ処理施設は2つ目の焼却施設建設に向けて進んでいますが
  2施設同時稼働ではなく、土地だけ買収しておいて(通常は公園利用)今の焼却上がこわれた
  等の有事の際にすぐに処理場を作れるなどの契約をしておけば、もっと費用が落とせるのでは
  ないか?などの考えが浮かびました。
  これは情報システムの世界ではよくあるバックアップの考え方です。
  2つのシステムを同時に稼働するデュアルシステム、2つ保有しておいて、
  片方だけ動かすコールドスタンバイシステム
  1つのシステムだけ持っていて有事の際にそなえ契約だけしておいていさというときに
  もう一つのシステムを立ち上げる方法など、様々な方法があります。、第二工場の建設は
  このような様々な方法を検討したうえでを決定したと思いますが、その辺について少し
  確認してみたいなぁと思います。
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 ◆仙台市ゴミ処理場で学んだこと
  ・首帳(市長)の決断力と行動力の重要性
  ・政令都市の優位性(金銭、土地所有、意思決定のスピード)
   ⇒やはり広域処理(現状の5市1町)では決断スピードは落ちるであろう
    合併していたほうが、意思決定は早いはず
    ※当然これだけでは合併推進の決定打とはならないが・・・・
  ・有事の際のゴミ処理自体の方法(過去の経験の共有)
   ⇒集めてから分別ではなく、分別しながら集めるということ。
  ・野ざらしのゴミ焼却施設であれば、20億~40億円期間4か月程度でつくり上げることが
   できるという事実
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③仙台市南蒲生浄化センター
  この浄化センターは仙台市の大部分の下水、雨水を処理している場所だが
  
海岸線にあったこともあり、津波による大ダメージを受けてしまった。
  50年をかけてつくり上げてきたものが、一瞬にて壊れてしまったという悲劇の場所でもあります。
  しかし、BCPを策定中であったこともあり、従業員の意識が高く、その場で適切な
  判断をしながら、素早い暫定処理を開始しています。
  また今後4年をかけて全体を復旧予定であるとのこと。
  日本では下水の普及率は80%であり、処理施設も大部分で完成しており、
  このように大規模の下水処理場をつくる(普及)するのは、これが日本では最後の可能性が
  高いとのことで、50年のノウハウを4年で学べるという大チャンスなので中国、スウェーデンの
  外務省関係者が視察に訪れているという話をお聞きしました。 
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 ◆仙台市南蒲生浄化センターで学んだこと
  ・管理者の指導力の重要性
  ・BCP(事業継続計画)の重要性  
  ・政令都市の優位性(金銭、意思決定のスピード)
  ・今後この南蒲生浄化センターで日本の最先端の下水処理場がつくられるという事実
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遠野市で市長からお話をお聞きしているところです。

仙台市仮説処理場で話を聞いているところです。

仮置き場です。すでにゴミが分別されて集められています。

仮の焼却施設です。野ざらしですが20億円(3年リース)、4ヶ月で完成したものです。


破損した仙台市南蒲生浄化センターです。衝撃の大きさがわかります。

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