民生常任委員会行政調査(10月23日~25日)

10月23日~25日にかけて民生常任委員会の行政調査に

行ってきました。

 

調査の内容は下記の3点です。それぞれ報告していきますので

ぜひお読みください

 

 

10月23日

奈良県天理市    認知症予防の「成果連動型支払事業」について
10月24日 

兵庫県尼崎市    ヘルスアップ尼崎戦略事業について
10月25日

愛知県豊橋市    ドローン飛行隊の取組について

 

 

奈良県天理市    認知症予防の「成果連動型支払事業」について

 

(質問する私)

(越谷市の認知症施策の資料)

(天理市から頂いた資料)

 

●事業実施の経緯
経済産業省の「健康寿命延伸産業創出事業」に参加の打診あり
天理市など全国7自治体において公文教育研究会(事業実施者)と
慶應義塾大学(第三者評価者)が協力して、認知症予防で2015年に

成果連動型支払(SIB)実証実験を実施する。

 

<2015年の取組の成果>
・評価指標を整理することで「成果が見えにくい」認知症予防の
 取組の成果を「見える化」ができる
・成果が可視化されたことで、現場や利用者にも成果が理解でき、
 プログラム参加へのモチベーションが向上される
・行政が予算を投入して事業を行う投資対効果が明確化される

 

上記結果により2017年に天理市での導入が決定する

●成果連動支払とは

・ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)は、成果連動型の
 公共サービス提供のファイナンス手法の一つ

・事業を民間に委託する際に、事業の実施に対してではなく
 その成果に対して対価を払う契約形態のこと

・事業の成果について、事前に合意した目標の達成度合いに
 基づいて支払いが実施される

 

<この事業でのステークフォルダーとの支払いの仕組み>
天理市と公文教育研究会が成果を確認することによって、
支払いの可否を決定する。

 

 

●具体的な事業内容
 65歳以上で認知症の疑いがある者と参加希望者(20人)
 を対象として6か月間、週一回の脳トレーニング教室を開催

 

<トレーニング内容>
・簡単な文章の音読
・簡単な計算
・ゲーム感覚の数字盤と呼ばれる作業

●事業の支払いに対する指標と成果評価の方法

 

成果達成 26万円 成果未達成 0万円 

 

●成果

 参加者の8割が改善(MMSE検査)という目標を達成

 教室の質に対しても成果が出る
・サポーターの自主性や受講者に熱気が出た
・サポーターが目標達成へ自発的に工夫し運営が高度化される

 つながろうとする意欲が増加

 
 認知予防の教室のはずが、参加者である高齢者の間で
 コミュニケーションが増加し、社会参加の促進がされ

 認知症予防に加え世の中とつながろうとする意欲が増加される

 

●課題
 認知症予防の成果は十分「見える化」が出来たと考えているが
 社会保障関連費支出の削減効果までは言及できていない。

 今後は脳活教室の教室数を増やしながら、それらの人々の
 医療や介護にかかる費用の増減の動きをとらえ、教室未受講者と
 比較してその削減効果を明確化したい。

 

 教室の運営者であった地域のボランティアや参加者をはじめとする
 地域住民の通い・集いの場となるような、地域における支え合い、

 助け合いが無理なく行われる住民主体の地域づくりにつながる活動に

 することを目指す

 

 ※ワンコインなどの受益者負担をお願いすることは
 現状なかなか難しいとのコメントあり

 

 

兵庫県尼崎市    ヘルスアップ尼崎戦略事業について

 

(質問する私)

(越谷市の健康増進施策資料)

(尼崎市から頂いた資料)

 

●経緯
尼崎市国民健康保険にとって医療費適正化は喫緊の課題であり
併せて介護保険給付、生活保護給付等社会保障にかかる経費の増大は
尼崎市の財政を圧迫する状況にある。これらの背景の1つとして、
生活習慣病の重症化の影響が考えられることから、総合的な
生活習慣病予防対策が必要となる。

ヘルスアップ尼崎戦略事業は、生活習慣予防にむけた総合戦略事業として
庁内関係部署や本市の関係機関・各種団体、生活習慣関連産業など
市民との協働の取組みを基本として、下記の4つの事業体系に基づき
市民の健康の維持・増進と医療費適正化を目指すものである。

 

<ヘルスアップ尼崎戦略事業>
①ヘルスアップ健診事業
 ・特定検診、特定保健指導
 ・生活習慣病予防検診・保健指導
 ・CKD,血管病予防対策事業
②ヘルスアプローチ事業
③ヘルストレンド事業
④未来いまカラダ戦略事業

 

<まちの健康経営推進事業(その他事業)>
①未来いカラダポイント事業

●越谷市と比較した場合の特徴的政策
実施している範囲が広範囲なため越谷市と比較した場合に
特徴的な事業について述べる。

 

<生活習慣病予防事業>
尼崎市の特徴は、早い段階から生活習慣病予防が必要と考え、
若者への対策を実施している。

 

・16歳~39歳のすべての人が、加入している医療保険に関係なく

 健診受けられる

 

 上記16~39歳の健診の結果からもっと早い段階での対策が必要と考え
 下記尼っこ健診を実施

 

<尼っこ健診> 
 11歳、14歳の生活習慣病予防検診の実施
 H30年度の概要
(対象者)尼崎市に住民票のある11歳(3770人)、14歳(3663人)
(受診勧奨)全員に対し、個人あてに受診券を送付
(健診方法)市内公共施設などでの集団健診
(健診内容)身体計測(腹囲含む)血圧測定
      血液検査(肝機能、血中脂質、血糖、HbA1c、腎機能、血液一般、CRP)
(健診期間)夏休み期間の指定日 及び 11~12月の土日 合計20日程度
(受診人数・受診率) 11歳 1550人 受診率41%
           14歳  981人 受診率27%

<特定健診受診率向上に向けた取り組み>
  ⇒インセンティブによる受診の動機付け
  未来いまカラダポイントの付与
  (未来いまカラダ協賛企業を募り実施)
 ⇒若者層、新規受診者層の受診率向上
  ローソン健診の実施
  (ローソンと健康協定を結ぶ)
   初めて市の健診を受けた人が8割のおよぶ

 

●課題
 受診率の向上
 保健指導をしっかりと受けてもらうこと

 

愛知県豊橋市    ドローン飛行隊の取組について

 

(議事堂の前で撮りました)

(最新ドローン機器)

(赤外線を活用した対応が可能 人を発見しやすい)

 

●ドローン導入の経緯
平成27年9月に発生した茨城県常総市の鬼怒川が
氾濫した災害にボランティア活動で参加した職員が
被災状況を目の当たりにし広域的な被災の状況を把握するには
上空からの状況確認が有効であり、このような手段が必要と考え
ドローン導入の検討を開始

 

平成29年7月 豊橋市ドローン飛行隊(17名)
「RED GOBLINS(赤鬼)」発足

●取り組み概要

ドローンで撮影した映像を、災害現場から災害対策本部に

伝送することで、本部長をはじめ、本部員や災害対策本部職員が

視覚的にも被害状況等の情報を共有する。

 

<映像伝送方法>
・V-CUBE(WEB会議システム)

・You Tube(動画共有サービス)
 ※限定公開機能を利用

 

<活動体制3部隊(3班)に編制>
・沿岸部被害調査(津波)
・山間部被害調査(土砂災害)
・市街地被害調査(倒壊家屋・火災)

 

メンバーは希望を募り募集 兼務辞令を交付

 

各部隊毎月1回の訓練を実施。月1回は全体の訓練を実施

 

またメンバーは民間ライセンス(DJIスペシャリスト)の

取得ができる「DJI CAMP」受講を行っている。

 

<保有機器>
・Phontom4 Pro
・INSPIRE2
・MATRICE M210 V2(雨の中飛行可能)

 

●費用3台 合計
 購入費   約475万円
 消耗品   約25万円/年
 通信費   約19万円/年
 損害保険料 約41万円/年
 点検整備委託約19万円/年(2台分)
 備品    約58万円/年
 WEB会議 約3万円/月(通常利用との差額)
 

●市政業務への活用について
<活動実績>
・災害対応
 河川の浸水(H30) 竜巻被害調査(H29)
・消防関連業務
 浸水訓練 総合防災訓練
・操作訓練
 判別 合同訓練
・その他
 イベント関係(マラソン大会、出初式など)

 

年間合計 約40回出動

●今後の課題
・人事異動に伴う隊員の確保

・ドローンの市政業務への有効活用
 防災・消防・広報・施設保全・土木・その他の分野においての検討を実施
 各分野ともドローン活用の有効性は高いがドローン映像編集作業等の事務量が
 ネックとなり、なかなか導入が進まない

・ドローンの技術進歩のスピード
 技術革新が早く、地方自治体がそのスピードに対応していくのは難しい
 民間企業、大学等との連携は必須

 

●ドローン使用における留意事項
・空港周辺の飛行禁止
・人口集中地区の上空飛行禁止
・日中(日出から日没)に飛行させること
・目視飛行及び常時監視
・第三者又は第三者の建設、車両などから30m以上の距離
・多数の人が集まる催し場所の上空飛行の禁止
・危険物の輸送
・物を落下させる行為
 ⇒国土交通省への飛行に関する許可申請により、上記事項についての
 飛行が可能となる

 

 

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