請願「所得税法第56条廃止を求める意見書の国への提出を求める件」を考える!
請願(所得税法第56条廃止を求める意見書の国への提出を求める件)
本日、12月定例議会、総務常任委員会が開催されました。
そこで請願(所得税56条の廃止を求める件)の審査をいたしました。
私は4年前に同じような請願が提出された時は、悩みに悩んだ末に反対しておりますが
この度は、もう一度改めてゼロベースでこの問題について考えました。
下記に整理します。
●所得税法56条の大きな問題点
家族従業者は働いても所得は認められず、法で認められた控除は
配偶者86万円、その他の家族は50万円であること。
●この法律の制定背景
日本で選択されている個人単位課税制度の下で、
配偶者等に所得を分散させることによって
税負担を軽減しようとする租税回避行為を防止するために設けられた。
●問題の回避方法
所得税法57条では青色申告をすれば、例外として家族従業員の給与が
経費として参入できるとなっている。
(※基本条文は56条による白色申告であり57条の青色申告は例外規定である)
●回避方法についての問題指摘
同じ働きをしていても白色申告であれば家族従業者の給与が経費算入できず、
青色申告であれば経費算入できるというのは基本的人権の尊重に違反するのでは?
(しかも57条は届け出制ではなく、税務署長の許可制であり選択の自由ではない)
●問題指摘における考察(私見)
青色か白色かは、事前に申告者が自由に選ぶこと可能
しかも白色申告と青色申告の差は、事前に説明がされているものであり、
その選択をする権利が申告者にはある。
許可制とはなっているが、税務署長が青色申告を許可しなかった例は聞いたことがない。
青色申告は実際簿記の知識などを必要とするので難しいとの意見もあり
理解するところであるが、最近は税務署も資料をわかりやすく作ってくれており、
聞きに行けば、かなり丁寧に教えてくれるという事実もある
●青色申告のその他の意味(私見)
また、日々の業務が忙しく、しかも経営も厳しくて聞きにいけないという声も
あるのは知っている。しかし、業経営が厳しいからこそ、むしろ財務諸表を
しっかりと把握し、仕入れが高いのか?在庫が多いのか?売数が足りないのか?
そういうことをしっかりと把握し、自らの強み、弱みをしっかりと分析し
経営に役立ててほしいと考得る。
※個人的には経営の観点からして、出来る限り自営業者の方には青色申告を
してほしいと思っている。
●最高裁の判例
①弁護士である夫が、税理士である妻に対して支払った税理士報酬の必要経費性を
巡って争われていた裁判
②弁護士である夫が、弁護士である妻に対して支払った弁護士報酬の必要経費性を
巡って争われていた裁判
上記2つの有名な最高裁判決があるのですが、ここでは経費算入が認められないとの
判決が出ています。
(つまりはこの所得税56条は有効であることが証明された判決ととらえることができます)
いろいろな事実を記載しましたが、私の結論は下記の通りです
●私の結論
所得税法56条には多くの課題があり、したがって大きな是正が必要である。
しかし所得のより正確な数値の把握の観点からして考えれば、
青色申告自体の意義もある。(パソコンやスマホがかなり普及した現代社会に
おいては将来的には青色申告が基本になったほうが良いと考える。)
また例外規定として57条もあり、完全に人権を侵害しているとは断定できない。
最高裁の判例でも、56条は違憲ともなっていない。
総合的に考えた結果、所得税法56条を廃止することがベストな方法かという
判断まではできない。大きな改正も残された選択肢である。
このような判断から悩みに悩んだあげくに最終的に反対をさせていただきました。
限られた時間の中で、いろいろな資料を読み、この度はこのような判断に
至ったわけですが、さらに深く、深く勉強していけば、
もしかしたら考えが変わるかもしれない。それくらい微妙な判断でした。
そして同一労働、同一賃金という大原則という立場に立てば、
この法律がそのままであることはやはり問題が多いと考えます。
早く国会にて議論をして、よりより法律に改正してほしいと思いますね!

