会派行政調査(10月20日~22日)
10月20日~22日の3日間にかけて2自治体にて4項目においての
行政調査(会派)に行ってきました。
そこでの調査結果をまとめましたのでご報告します。
3日間の調査内容は下記になっております。
それぞれについて要点をまとめてみます。
20日 佐賀県武雄市
①ICT利活用教育の推進について
②官民一体型小学校の創出について
21日 佐賀県武雄市
③武雄市図書館について
22日 大分県日田市 大分大山町農業協同組合
④農業の6次産業化について
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1.佐賀県武雄市(20日~21日)
①ICT利活用教育の推進について

(武雄市でITC教育について質問する私です)

(こんな感じで先方のお話を聞いています)
前市長の樋渡氏が「武雄市の教育を変えるそして武雄市から全国の教育を変える」
という趣旨のマニフェストを掲げ、当選してからICTを使った教育が開始される
目指すべき目標は『世界一行きたい学校』
もともと電子黒板などは利用していたが、さらなるICT化を図った。
・特徴
⇒ICT教育はスマイル学習という形で行われている。(スマイル学習課を創設)
⇒当初はiPadで開始したが、今は他のICT端末を利用(特注)
当初は一部の小学生からのテスト導入で開始し、IT協議会の答申を経て
小中学校全校導入に至っている。
小学校11校(約2830人) 中学校5校(約1330人)2015年5月現在
⇒スマイル学習の特徴は、家での予習(ICT端末で動画などみてもらう等)
に活用してもらい、授業では話合いや考える時間(協働学習、発展学習)に
多くを費やすことが出来るという点である。
※ただし、ICTを利用するスマイル学習の実施割合はは全体授業の3%程度である
⇒ICT端末は自宅に持ちかえることができる。
⇒ネットワークでは学校でしか利用できない。
⇒紛失等はまだ発生していない
⇒壊れたときの責任は学校が持つ(修理等)
⇒ICT端末にはたくさんの問題集が入っている(e-learninng)
・考え方
ICT端末で学習のすべてを考えているのではなく、あくまで学習の補助ツールとしての位置づけである
・費用
【初期費用】 小学生7インチ端末 約18,000円/台 中学生10インチ端末 約34,000円/台
【ランニング費用】 2000万円/年
・利用授業
小学生 【算数 3~6年生】 【理科 4~6年生】 【※今後 国語 2~4年生】
中学生 【数学 1~3年生】 【理科 1~3年生】
⇒1~2年生は写真をとったりすることで利用している。
家族の写真を撮っていて、学校で発表するというような試みをしている。
体育の時間に鉄棒の練習の動画を、自分のやり方を見ながらその場で確認したりもしている。
⇒どのように通常の授業にICT端末を利用するかは、先生の裁量にゆだねている。
⇒企業などと組んで、プログラミングの授業なども試している。
この授業は理論的な考え方に重点を置くのではなく、
モノづくりの楽しさを教えることに重点を置いている。
・コンテンツ
⇒コンテンツは利用する授業を定めた後に学校で割り振って業者とやり取りをして作成する。
⇒コンテンツは共有サーバにUPをして、どの学校からも利用できるとのこと
⇒先生の負担は増えるが、それ以上に生徒の活き活きとした顔をみると
やる気がでるという話があった。負担感より達成感が増している。
⇒コンテンツ作成の費用はかからないとこと。業者が戦略的にやっているようだ!
・成果
⇒アンケートの評価はおおよそ良い方向となっている。
理解度や勉強への意欲への満足度は高いと考えられる。
⇒成績向上への貢献度は、まだはっきりとは把握できない。
教育への効果をすぐに数字として確認するのは難しい
ただ図形などの把握に対しては、動画での効果はあるように思われる。
⇒指導方法の改善にはつながっている(個にあわせた問題把握等)
・今後の期待や課題等
⇒教育の継続性を担保しなければならない
多額の費用、先生への負担、コンテンツ作成など
⇒ICTが子どもの発達に及ぼす影響についての把握
⇒ICT学習の効果が上がる教科や場面の把握
⇒障害者への教育、病弱児への教育、遠隔教育への普及
⇒効果的な教育方法、学習方法の追求だけではなく
新たな学校づくり、地域づくり、社会的格差是正策への位置づけ
プラスとして次の情報あり
議会改革について
⇒議会は同時翻訳ソフトを入れて対応している。
一般質問は16時に終わるが、当日の17時には暫定ながら
速報として記録がつくりあげられるとのこと。
②官民一体型小学校の創出について

(武雄市の官民一体型教育がめざすもの)
これは埼玉県にある『はなまる学習会』と『武雄市』がタッグを組んで実施している。
簡単に説明すると民間学習塾と公立学校が協力し新しい教育方法をするということであり
全国初の取組です(民間取り組み始めたばかりの事業)
まず、はなまる学習塾のことを説明します
HPを見ると次のように記載してあります。
http://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/index.php
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花まるグループが目指すものは自立と魅力です。
「メシを食っていける人」「もてる人」を育てていくこと。
時代がどう変わっても、柔軟な思考力と強靭な体力で乗り切ってほしいし、
友達がたくさん集まってくる、表面的でない真の魅力を備えた人になってほしいと思う
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シンプルにいうといわゆる学校の学問としての授業というよりも生きる力)
(生き抜く力)に趣をおいた授業をしている塾だといいうことです。
こうした教育を公立の学校にも取り入れていこうという趣旨です。
大きく取り組んでいる授業は2つ
青空教室とモジュール授業です
A.青空授業
教室を飛び出し、校庭や野外で自然とふれあいながらいろんな体験や発見をし学び合う授業です。
青空教室の5つのねらい
①五感を使い、座学では体験でき ない気づきや発見を得る。
②遊び心を持ちながら、自然のも のに触れる。
③体を動かし、体全体で物事 を感 じる感受性を豊かにする。
④異学年 ・異性による班編成により、相手への思いやり、協力すること、
自分の気持ちを伝えることなど、社会で生きていく上 で必要な力を育てる。
⑤学校内や学校周辺の環境に接 することで、その良さを発見し、
母校や故郷への愛情を育てる
授業の一例:
・物差しを利用せずに5メートルを図りなさい
班で実施。ルールについてはは上級生が講師から聞き、それを下級生に伝える。
結果 みんなで話し合って、自分の身長や足のサイズ、歩幅から考えたり、導き出したりする。
・50メートルを10秒ぴったりで走りなさい。
それぞれ考えながら走る。
B.モジュール授業
朝の時間(15分)を活用し学習の土台作りとなる学びを5分間位の間隔でテンポよく行います。
●四字熟語
フレーズを自然に覚えるように、耳から入った音を口lこ出して記憶する。
基礎教養 としての「四字熟語」を 「音」で覚えていきます。
大きな声で発声する 楽しさを知ることも目的の一つです。
●キューブキューブ
木製のブロックを使い、実際の操作 実験を通じて脳のイメージだけで
ピースを回転したり、裏側から見た図を想像することにより、
遊び感覚の中 から空間認識カを磨いていきます。
●サボテン
計算問題の反復学習です。他の人との比較ではなく、
前の自分よりのびる事を目的として進めていきます。
出来た問題の振り返りを行わず、翌日には新しい問題を行います。
●たんぽぽ
日本語の響きの美しさ、リズムの素晴らしさなどを「音』としてかみしめ、
暗唱する事が目的です。基縫教養を身につけ、日本語の語感を育てます。
●パターンメーカー
フラッシュカード形式で4枚のカードを使って、
平面図形の認識納能力を訓練するものです。
一瞬だけ提示したカードを美目に焼き付けて、
4枚のカードをより早く正確に並べて形を作ります。
●あさがお
日本の名文・詩などを文章に書き写すものです。長時間学習に必要不可欠な
「正しい姿勢」「正しい鉛筆の持ち方」を指導します。板書の量が増えたときに
対応出来る「適度な速さで書く事」を重視します。
このように普通の学校ではなかなか経験できない学習を取り入れていきます。
映像で授業の様子をみさせて頂きましたが、みんな楽しそうに、かつ集中してやっている
様子が手にとるようにわかりました。
また、通常のはなまる学習塾は授業にはもっと多くの講師を配置しているということですが
公立学校では、そんなに多くの先生は配置することができません。
そこで、その代役をかっているのは地域のご年配の方たちです。
こうした地域を巻き込んでの教育にも大変意味があるとの話でした。
こういった教育をうけられることをアピールし住民を呼び込めたらよいと考えているとのこと
①武雄市図書館について

(入口のデザインです)

(ちょっと遠めから見た感じです)

(入ってすぐの内装です)

(CD/DVD 音楽と映像のブースです)

(2階部分の図書館です)

(無人セルフレジです。自分で本を借りたり、買ったりできます)

(図書館前での集合写真です)
これは、樋渡啓祐元武雄市長がテレビ番組の代官山蔦屋書店をみて
図書館のイメージと重なったところから、
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)と話をすすめ
代官山のイメージにそった図書館づくりの話が始まったようである。
次のことをあげている
【9つの市民価値】
1.20万冊の知に出会える場所(開架10万冊から20万冊へ)
2.雑誌販売の導入(ライフスタイルの提案)
3.映画・音楽の充実
4.文具販売の導入
5.電子端末を活用した検索サービス(i-Pad)
6.カフェ・ダイニングの導入(スターバックスの出店)
7.「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えや
サービスの導入(自動貸出機、分類方、空間など)
8.Tカード、Tポイントの導入(同意、選択制)
9.365日、朝9時~夜9時までの開館時間
図書館内には3つの施設があり 公共と民間の区別を下記のようにしている
①武雄市図書館・歴史資料館(指定管理者制度)
②「蔦屋書店」(行政財産の目的外使用)
③「スターバックス」(行政財産の目的外使用)
改革
年間の運営経費
1.2億円から1.1億円へ削減。
(会館日数や時間を大幅に拡大しながらの削減であり本来のままであれば2.1億円になる)
その上賃料収入を得ることもできるようにした。
また貸出図書数、来店者数も大幅増加を果たしている。
また多くのイベントを企画実施し、集客に工夫をこらしている。(下記は企画内容)
・イルミネーション
・読み聞かせ
・キッズバリスタ(スタバとの連携)
・夏の100選図書
・マルシェ
・子ども司書講座
・大人の司書講座
・朝ヨガ(会館前)
・著名人による講演会(ホリエモンなど)
・アナウンサー講座
・篆刻講座
など
課題
満足度を上げることが重要
・駐車場の確保
・資料費の確保(もっと新しい本を入れたい)
・司書のレベルをあげる
その他
返却ボックスを駅など市内13カ所に設置
市内の本屋とは出来るだけ棲み分けを行っている
(なので図書館内蔦屋書店では週刊誌等は扱わない)
宅配返却などがある(全国どこからでも500円)
諸問題(最近テレビなどで問題になっている書籍の発注)はあるにして
すごく居心地の良い図書館であることは間違いないと感じた。
また図書館を身近にしていこうという試み、努力も数多く実施しており
よい方向だと考えられる。
市民の利便性と公共性の相違点をどこで決着するのか?というのが今後の課題で
あると思われるが、費用の削減や来店者数の増加を一つの指標として
みるのであれば間違いなく成功していると思われる。
またこの図書館などの改革により、武雄市に経済効果(観光や行政調査など)を
20億円程度をもたらしているとの説明もあった。
そういった観点からしても、成功していると判断できると思われる。
2.大分県日田市 大分大山町農業協同組合(22日)
④農業の6次産業化について

(6次産業化の話を熱心に聞いています)

(オーガニックレストランの前でとりました)

(日田市の古い町並み①)

(日田市の古い町並み②)
大分大山町農業協同組合は、農業でのまちおこしに成功した代表例と言えると思われる
貧しかった大山の村おこし
NPC運動 NPC運動とは働くものの願い「働くねがい」「学ぶねがい」「愛のねがい」を
表したもの。一つづつ紹介します。HP参照
第1のNPC 所得追求の運動(NPC= New Plum and Chestnuts)
梅栗植えて所得を増やそうと図ったもので「働くねがい」が込められています。
「梅栗植えてハワイに行こう!」というキャッチフレーズのもと、大山町が゛農業革命゛
というべき第一次NPC運動に取り組み始めたのは昭和36年。
農地に恵まれぬ山村の宿命として、土地収益性を追求、耕地農業から果樹農業、
さらに高次元農業へと転換を図ってきました。この間労働条件の改善にも積極的に取り組み、
軽労働、省力労働に適する作目を奨励現在では、
半日で農作業が終了する"週休三日農業"を目指しています。
第2のNPC 豊かな人づくり運動(NPC= New Personality Combination)
新しい人格の結合体を目指そう、それにはまず豊かな心・
教養・知識をもった人づくりだというわけで、その精神が「学ぶねがい」になっています。
昭和40年にスタートした第二次NPC運動は、所得ばかりでなく
心も豊かな人を作ろう!という運動で、いろんな催しや行事をやる中から
切磋琢磨、お互い人間を磨きあって行こうというものです。
そのために、町役場には自学自習の生活学園と有線テレビが施設され、
民度の向上を進めています。
また、"習慣付け学習"として、恒例行事の各種イベントを催しています。
農協は"体験学習"に重点をおいて住民に国内や海外研修旅行をすすめています。
ハワイ・中国・イスラエルとそれぞれ友好関係を結び、親善交流を盛んにしています。
また、国内はもちろん海外からも友人が来訪し、民泊をして親交を暖めています。
そのため農協は低利の旅行ローン・無料のカルチャーバス・農業後継者への
育英資金を設けるなど便宜を図っています。
第3のNPC 住みよい環境づくり運動(NPC= New Paradise Community)
大山パラダイスを築こうという遠大な目標です。大山に住む人びとがより楽しく
暮らせるよう環境をつくっていこうということで根底に「愛のねがい」があります。
第三次NPC運動が始まったのは昭和44年でした。所得向上の目標が達せられ、
豊かな心をもった隣人に恵まれてもなお若者が
大山にとどまろうとしないのはなぜか....。
それは都会に比べて文化・娯楽・教養などの環境整備が
あまりに遅れているからではないのか。
田舎に暮らしていても都会のような文化的生活を享受できるようになれば....、
逆に農村こそ真のパラダイス、理想的な生活圏になる!そう考えたところから
この運動の取り組みが始まりました。そのため環境整備をどうするか。
まずそれぞれの生活行動半径内に利用しやすい便利な文化生活施設が
集積されていなければダメだ、ということから大山を
八つの文化生活団地に分けています。
五分ぐらいの時間で用が足せる距離を生活行動半径としたエリアで、
ここにそれぞれ文化生活施設を集積していこうという考えでした。
そうして施設をそつなく活用し、楽しく暮らすためにコミュニティ運動をすすめ、
運命共同体としての親密感情の復元につとめています。
すべてがこのNPC運動から始めるのですが
この大山町農業組合の取組をキーワードで並べると
・土地面積当たりの収益性を追求している
・軽労働・省力労働の適するものを追求
・月収農業や週休3日農業を目指している
・本物に触れることによって本物を学ぶ
・楽しみながら農業を実践する
・オーガニック(有機無農薬)を追求している
・消費者が求める安心・安全・健康な食品の生産を目指す。
・高付加価値産物開発に努める
・若者たちが継ぎたくなる快適農業を求める
また担当の方から次のようなメッセージをもらいました。
地域の良さを地域の方がどれだけ理解できるかという感性が重要
渉外対応(営業)は品物ではなく「大山の心」を伝えることから始める
今の世代が種をまき、将来の子ども達が成果物を刈り取るという仕組みが重要
そして昼食は農業組合が開いているオーガニック農園レストランで
「農家もてなし料理百のご馳走」を頂きました。これは本当に農家のおばあちゃんたちが
料理を考えているそうです。野菜中心のお料理をおいしく頂きました。
実際このレストラン、私たちがお昼を食べているときは100席くらいの
レストランが満席でした。まさに魅力ある6次産業の一つの取組です。
※また行政調査とは関係ありませんが、日田市は古い町並みが残るまちです。
朝の散歩で歩きましたが、大変すばらしかったです。
越谷市も宿場町の古い町並みを残したいと言う思いで活動していますが
日田市は越谷が目指す姿の見本になるかもしれないと感じました。
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この度の行政調査2団体4項目は、越谷市がまだ実施していない(もしくは実施しきれていな)
という取組でありまさに大変興味深く、勉強になるものでした。
ではこの目的意識や仕組みやをどのように越谷にとりいれるのか?
この点が非常に重要になりますので、しっかりと考えていきたいですね!

