公共設備の長寿命化について学ぶ

議員会主催による勉強会を開催いたしました。
笹子トンネルで崩落事故が起こり公共インフラの老朽化が
社会的大問題となっておりますが今日の主題は、まさにタイムリーな内容となっており
「見過ごすのは罪~公共施設・インフラ老朽化が招く越谷の末路」
ということでお話をお聞きしました!
講師は東洋大学教授 根本祐二氏です。
はじめに笹子トンネルの話から始まりました。
コンクリートの法定対応年数は60年であり、
建築後34年である笹子トンネルの
事故は老朽化という言葉で片付けてはいけない。
金属製付属物はもっと耐用年数は短いはず
「原因=老朽化」と「症状=付属品の損傷」をしっかりと区別して
考えなければならないというところからはじまりましたが
私が要点として捉えたところをまとめます
・日本の橋梁の建築(首都高などを含む)は
東京オリンピックの1960年前半に多くなされており、
今、それから50年を迎えている。
老朽化の問題の顕在化はこれから本格的にはじまる。

・現在ある社会資本(公共施設・インフラ)を同じ物理量で
更新(立て直しやメンテナンス)すると仮定すると
(新規の公共事業を行わないという前提)
毎年8.1兆円/年必要であるという試算になるらしい
⇒建築物3.5兆
⇒道路1.9兆
⇒橋りょう0.7兆
⇒上水道(管)1.1兆
⇒下水道(管)0.8兆
・越谷市の将来更新投資を試算(総務省外郭団体提供計算ソフト:今後50年ベース)すると
 将来予算不足率は1.88倍になるらしい
 他自治体と比べと中間レベルということ
・問題発生の理由
①投資マネジメントの不在
 自治体は長期計画にもとづいて投資していない
 民間の競争力を維持するために、常にう一定の投資を行うことが必要
 ⇒急に投資を止め老朽化させない
②景気対策の必要性
 景気が悪い時に出動、良い時は控えるのが公共投資の宿命
 
③政治的動機に基づくばらまきの発生と老朽化の放置
・住民は道路や公共施設の新設を選択しがち。
 維持補修や更新は目に見えないので評価しない
・不要不急の投資が優先され、維持補修や更新投資は後回しにされがち 
・今後のシナリオ(財政破綻)
 老朽化で更新投資需要は今後本格化。
 公共年予算はピーク時の半分。社会保障費に予算を譲っている状況となっている
 ⇒『増大する需要を減少する予算で賄うジレンマ』 
 負債依存度は先進国中で最悪
 高度成長期、バブル期の負債依存度は平均的。身の丈の範囲で投資していた。
 バブル崩壊後のマイナス成長期にも過去の公共支出レベルを追い続けた結果、
 差額を負債に頼らざるを得なくなった。
 ⇒『身の丈を越えた投資が負債を増やした』
ここからが重要
(以上の述べてきた問題を解決するために)
 シティ・マネージメントの必要性
 シティ・マネージメントとは下記①~③を総合的に行うこと!
 ①費用の削減
 ②バランスシート改革(資産を圧縮する、効率性を高める)
 ③収入の増加(成長戦略)
そしてシティ・マネージメント実施手段としては下記があげられる!
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(1)データマネジメント  
   ⇒正確なデータ、資産ソフト 公会計との連動(固定資産台帳)
(2)公共施設マネジメント 
   ⇒3階層マネジメント
(3)インフラ・マネジメント
   ⇒長寿命化、コンパクト化、包括化
(4)ファイナンス・マネジメント  
   ⇒PPP/PFI、特定財源債、法定外目的税受益者負担引き上げ、不動産活用
(5)コンセンサス・マネジメント  
   ⇒利用者ではなく納税者の意見を重視する(無作為抽出アンケート、ワークショップ)
(6)アクション・マネジメント
   ⇒民間提案、市民参加
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上記において特に私が印象に残った
(2)公共施設マネジメントにおける3階層マネージメントについて説明します。
私が常に考えていることをわかりやすく説明していただけたので、正直『これだ』と
思いましたね!
これは文面では分かりずらいので、私なりにまとめましたので、是非見てください。
まさにキーワードは、広域化、多機能化、ソフト化です。

本当にためになった勉強会でした。
来年度は、行政にて『公共施設マネージメント白書』というものを作成する予定だと
聞いておりますのでそちらにも期待したいと思います。

講演する根本先生です。

議員、執行部ともに真剣に耳をかたむけました。

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