議会運営委員会行政調査(10月15日~16日)
10月15日~16日の2日間にかけて
議会運営委員会にて行政調査に行ってきました。
①福岡県大牟田市(10月15日)
・議会活性化の取組について
②福岡県久留米市(10月16日)
・議会活性化の取組について
その内容をご報告させて頂きます。
10月15日
1.福岡県大牟田市
議会活性化の取組について
(質問する私)
(パワーポイント画面)
(伝統ある市役所庁舎)
(伝統ある議場①)
(伝統ある議場②)
●議会基本条例について
<背景>
・議会機能向上のために議会改革が必要であり
議会基本条例を制定をすると決定
<議会基本条例のポイント>
①市民意見の聴取に努める
請願者・陳情者、市民、団体からだされた意見を関係する委員会などで
調査検討を行い、必要に応じて市長に提案、要望を行う
②議会活動サイクルの確立に努める
予算⇒執行⇒評価⇒決算⇒予算のサイクルで市民からの意見も聞きながら
適正か?チェックしていく
③政策等調整委員会での論点の整理と集約に努める
★政策等調整委員会
議長(委員長)副議長(副委員長)で各会派から1名で構成
★流れ
ア.決算特別委員会から1~2項目
イ.議報告会で出された要望1~2項目
合意形成できたものを市長に要望する
市長からアやイの返答を基に政策等調整委員会で話し合い(議会初日が多い)市長に提言する
④委員会の審査の充実に努める
・委員相互の討議
・政策等調整委員会の開催の要請
・複数の委員会で同時に審査(連合審査会)※未実施
・関係団体からの意見聴取※未実施
・専門的知見の活用※未実施
・市長への提言・要望
・市長側からの質問(反問権)※未実施
<議会改革の検証>
議会基本条例の各章ごとに検証を行っている。結果はHPに公表
●議会報告会
議会改革特別委員会で討論して、毎年、市民の関心が高いと思われるテーマを選定する。
その他、原則として、昨年の報告会で出された市民意見への取り組み経過を報告する。
<分類>
議会報告会で出された市民意見の集約と分類
・市行政に対する発言で、委員会で継続的に検討を行うもの
・市行政に対する発言で、市当局につなぐ方がよいもの
・議会に対する発言で、関係委員会で継続的に検討を行うもの
・議会に対する発言で、摘録にして議員で供覧を行うもの
集約・分類・公表後には
・常任委員会で検討を行い、市長等へ要望及び提案を行い回答を求める
・議員がさまざまな議会活動を通じて市民意見の反映に努める
●議会改革の展望と課題
①会派の枠を超えての議員同士の意見交換の活性化
⇒意見交換の中で行政課題の論点・争点などが見えやすくなる
⇒論点・争点がはっきりすることは議会としての合意形成につながる
⇒合意形成が図られた議会意見は、市当局への大きな力となる
②行政の活動サイクルに応じた議会の活動サイクルの確立の視点
⇒決算特別委員会の開催時期の前倒しを実施するなど、
受身の議会運営からの脱却
③議会報告会の参加者を増やすことが課題。また参加者は高齢の男性が多く
年齢バランスと男女比率も課題
④市民アンケートの実施
アンケートの結果に基づき、これまでの議会改革の検証を行う
10月16日
2.福岡県久留米市
議会活性化の取組について
(質問する私)
(議場の巨大パネルです)
(市役所庁舎です。大きい)
●議会改革について
議会制度調査特別委員会(議会制度について集中して検討する)
今まで下記事項が検討された
・議会定数に関する調査について
・政治倫理条例について
・議会基本条例について
・議員定数について
・議会基本条例の見直しについて
⇒議会の広報
⇒議員研修
⇒専門的知見の活用
⇒議員間討議についての検討
・議会制度に関する調査について
⇒議会活動の見える化について
⇒議員定数の見直しについて
⇒議会基本条例の見直しの手続きについて
●議会の設備改修について
<経緯>
議場・委員会室の設備(音声・映像設備)の多くは庁舎建設時(H7年)に整備された
ものであり、20年程度使用しているために老朽化し、古い機器であるため修理が困難
なものがある。またハウリングや音量の調整が難しい等の問題が顕在化していた。
このため改修内容について会派代表者会で協議を重ね、設計、改修を実施。
<議場>
・マイク設備の更新
・スピーカー位置の変更
・カメラの更新、増設(アナログ⇒デジタルへ)
・議会運営システムの更新
・大型ディスプレイの設置(正面98インチ、側面80インチ)
・耳の不自由な方への配慮
<委員会室>
・マイク設備の更新
・可動式カメラの設置
・委員会運営システムの導入
●タブレット端末の導入について
<導入の目的>
①情報の共有化
議案書、委員会配布資料、過去の会議録、イベント等のチラシ
②情報の発信
視察報告書、市民相談、活動報告(カメラの活用)
③ペーパーレス化
会議資料をデジタルで配信し、段階的にぺーバーレス化
④議員活動の効率化
いつでも、どこでも原稿の作成、市政報告での活用
<セキュリティの方針>
①議員が共有する情報、各種資料、アクセスする範囲は、
行政の情報システムとは独立する
②行政情報は、公開されている情報が主となり、セキュリティを
がんじがらめにする必要はない。使いやすさが重要
③事務局からの連絡に使用する場合は、個人情報を含む場合があるが、
現状(メール)と同じ対応とする。
④新たに「パスワード」管理、盗難・紛失、ウィルス対策は必要
<セキュリティ対策>
①タブレット端末に保存するデータは原則個人情報を含まない
②端末起動時、パスワードによるログイン
③紛失、盗難等緊急時には、現在位置の検索
遠隔による端末ロック、端末初期化を可能とする
<費用按分>
一時的経費とアプリ使用料を除く控除的経費を
公費:政務活動費:私費=0:1:1で決定
<タブレット端末の仕様>
・機種:iPad(購入)
・通信方式 Wifi+Celluler
・ストレージ 32G
・ディスプレイ 9.7インチ
※セキュリティ面を考慮し、iPadで決め打ちした。
<活用>
①議会運営支援システム
システム名称 SideBooks
利用範囲
・議案書、予算・決算関連資料
・委員会・協議会資料
・行政視察関連資料
・議会関係例規集、市政概要・行政資料
・議長・副議長からの公務報告 等
②カレンダー機能
アプリケーション Googleカレンダー
用途 スケジュール管理
(議長、議会、議員、事務局スケジュールを管理)
③チャット機能
アプリケーション Wow Talk
用途 情報共有・伝達
(議員⇔議会事務局、議員間、議会事務局内)
④ホームページによる閲覧
・政務調査活動によるインターネット検索、音声検索
・市議会くるめ、広報くるめ
・本会議録検索、インターネット中継
・久留米市例規集 久留米市統計 等
<運用ルール>
①久留米市議会タブレット端末の運用に関する規程
⇒タブレット端末の貸与、取り扱い、返納
②久留米市議会タブレット端末使用基準_第1.0版
⇒使用制限、使用範囲、禁止事項、遵守事項
<禁止事項>
①タブレットの改造、交換
②個人情報、公開されていない情報の第三者への開示・提供
③会議の録音・撮影
④許可なく会議中に動画を再生、タブレットから音を出す
⑤審議・審議中の情報を外部に発信
⑥他者の迷惑になる行為
<遵守事項>
①情報の送受信は自己責任
②ID・パスワードは厳重に管理
③アプリを追加する場合は自己責任
④データ通信料は1か月に3GB
⑤紛失、盗難、故障が発生したときは、直ちに事務局へ連絡
⑥個人情報の漏洩事故が起きたときは、直ちに事務局へ連絡
<導入効果>
①議会、委員会資料等の持ち運びは、タブレットひとつ
②資料、インターネット検索の有効な情報による議論の深化
③行政視察、研修など、外出先への資料携行の省力化
④市民相談対応の内容の充実
⑤議会質問等原稿作成の利便性
⑥議会活動、議員活動の情報発信の充実
⑦議員・事務局相互間の事務局連絡の迅速性、正確性の向上
<今後の課題>
①フォローアップ
使用頻度やスキルの平準化
②ペーパーレス
電子データと紙資料の併用期間の検討
③更なる活用方法
タブレット端末を活用した会議広報活動(SNS等)の検討
④改選時の機器の取扱い
機器更新と改選時のタブレット端末の取扱い
越谷市も議会基本条例の制定、そしてITC化議題には何度もでていますが
なかなか前に進みません。
しっかりと議論をしながら、実施に結びつけていきたいですね!